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星光大道(センコンダイドウ)の生い立ち3段階
第一段階 海濱長廊(ホイパンチョォンロウ):海沿いの散歩道
アベニュー・オブ・スターズ(中国語: 星光大道、英語: Avenue of Stars)は、九龍尖沙咀(チムサーチョイ)東部の公園、「チムサーチョイ・プロムナード」にある散歩道です。
1916年から時計台と香港文化センター付近は広九鉄道の終点駅となり、1975年に紅磡駅(ホンハム)に移るまでこの通りはその路線になっていました。
私が香港に来た1981年の5月頃は海濱長廊(ホイパンチョォンロウ)は改造工事の真っ最中でした。そして翌82年に完成し、地元の人がジョギングしたり、釣りをする人をよく見かけました。私も週に2.3回仕事前にジョギングしていました。
でもその頃はクリスマスのイルミネーションを見るときぐらいしか人は集まりませんでした。
若いカップルや観光客が夕食後に夜景を見ながらウロウロしている程度だったのを覚えています。
80年代の香港の夜景は40年前にすでに「百万ドルの夜景」として親しまれていたので、今は「一千万ドルの夜景」ぐらいになっているのかな ? どうでしょう?
チムサーチョイ以外からここに来る時は地下鉄が便利です。
最寄りの駅は尖沙咀駅か尖沙咀東駅で地下でつながっているので分かりやすい経路を二通り紹介します。
1 尖沙咀東駅の場合はP1出口を探してください。 そこを上がって外に出ると左前にシャングリラホテルが見えて右側はバスターミナルです。
そのまま回れ右で反対方面に歩くと左手のバス停側にエスカレーターがあるので迷わず上がってください。
そこは星光花園という星光大道に続く公園で映画撮影の像が移行されている場所です。
そしてそこを抜けて階段を降りると左方向に星光大道が続き、少し歩くとスタバとブルー・リーが見えてきます。
2 尖沙咀駅の場合はE出口を上がって通りに出ると彌敦逍(ネードンロード)なので真っすぐ海の方に向かって歩いてください。
すると右側にペニンシュラホテルが見えてきます。
そして交差点に出たらそこを半球型の宇宙博物館の方に横断してください。
渡ったらさらに海に向かって進むと星光大道のちょうど中心部のセルロイドフィルムに包まれた女性の像の近くに出ます。
私は個人的には1の経路で歩くことが多いです。
*尖沙咀駅と尖沙咀東駅のどちらの路線も00:50頃が最終なので乗り遅れないようにしてください。 でも香港はタクシーが安いので日本ほど心配することもありませんが…..
第二段階 星光大道(センコンダイドウ)
2003年5月23日に香港の新世界発展社がスポンサーとして4,000万香港ドル(約5億6千万円)を出資し、この海沿いの散歩道を新しい観光名所に変貌させるためにプロムナードの建設が始まりました。
そして星光大道(アベニュー・オブ・スターズ)として2004年4月27日に開幕し、翌日一般に開放されました。
星光大道は香港映画業界で活躍した人物を讃えるために建造され、ハリウッドのウォーク・オブ・フェームをモデルにして香港と中国の映画界の発展に貢献した人物の名前と手形が彫られた記念プレートが年代ごとに設置されました。
この手形を見るために世界各国から大勢のの観光客がおとずれ、星光大道(アベニュー・オブ・スターズ)は香港ツアーの欠かせない観光スポットになりました。
そしてさらにアベニュー・オブ・スターズは夜の人気観光スポットであるヴィクトリア湾を挟んで華やかに開催されるレーザーショー「シンフォニー・オブ・ライツ(幻彩詠香江)」の中心舞台でもあります。
手形プレートについて
設立時にはアベニュー・オブ・スターズに手形と名前をプレートに入れて讃えられる映画界に貢献した人物を、香港電影金像奨協会と9つの所属団体と香港の歴史ある映画雑誌「シティー・エンターテイメント・マガジン」( 電影雙周刊)による投票で73名が選出されました。
毎年以下の3項目を基準とする投票により、アベニュー・オブ・スターズで讃えられる映画人のリストが新たに選出されています。
- 香港映画界でトップレベルの地位にあること
- 香港映画に多大に貢献した実績があること
- 香港映画界内で高く評価されていて経験豊かであること
設立時に手形のプレートが設置された73人 (★印は故人です)
- 李小龍(レイ・シユロン) ブルース・リー★
- 許冠文(ホイ・クンマン) マイケル・ホイ
- 許冠傑(ホイ・クンキッ) サミュエル・ホイ
- 成龍 (センロン) ジャッキー・チェン
- 周潤發(チャウ・ヨンハッ)チョウ・ユンファ
- 張國榮(チョォン・コッウェン) レスリー・チャン★
- 劉德華(ラウ・タッワー) アンディ・ラウ
- 李連杰(レイ・レンキッ) ジェット・リー
- 張曼玉(チョォン・マンヨッ) マギー・チャン
- 梅艷芳(ムイ・イェンフォン) アニタ・ムイ★
- 梁朝偉(リョォン・チュウワイ) トニー・レオン
- 楊紫瓊(イョォン・チーケン)ミシェール・ヨー
- 王家衛(ウォン・カーウァイ)カーウァイ
- 周星馳(チャウ・センチー) チャウ・シンチー
- 洪金寶 (ホンカムポウ)
など73人の中から香港映画界の黄金時代、1980年から2000年に活躍し日本人にもなじみのある人物をピックアップしました。
この手形入りのプレートが通路上に設置されており、それを観光客が見物したり写真を撮る時には女性客も身をかがめることが多く、いわゆるパンチラ光景が有名になりました。
そして中国語名称の星光大道(センコンダイドウ)をもじって「走光大道」(チャウコンダイドウ)というあだ名が付けられていました。
中国語で「星光」は映画スター、「走光」はパンチラを意味します。
第三段階 新しい星光大道(サン・センコンダイドウ)
2011年8月、アメリカのCNNが世界各地で期待外れの観光地ワースト12を選出してインターネット上で公開し、香港のアベニュー・オブ・スターズを第2位に選出しました。
CNNはアベニュー・オブ・スターズについて、休憩所の不足、中国大陸からの観光団が多すぎる、そして屋台が多すぎることを指摘しました。
さらに「ここに来て感じることは、くしゃみが出そうで出ない時に似た心地悪さ」と批評しています。
確かに中国人の観光客が急増してゆっくり歩けないことも多かったですがそれ以外はそれ程心地悪くなかったと思います。
そんなこともあって香港政府は名誉挽回のために星光大道を2015年10月から3年間閉鎖し改修工事をすることにしました。
そして2019年1月31日に再公開されました。景色を眺めたり歩き疲れて休むためのベンチが増えて、前はいくつもあった屋台が無くなり、洒落たフードコーナーひとつになりました。
そして、走光大道のあだ名がついた手形プレートは木の手すりに移されて見やすくて手を合わせるのにも便利になりました。そして写真撮影もしやすくなりましたね。
通り全体がなめらかな曲線で設計されていてベンチや木の手すりが特にグレードアップした感がありす。
今は残念ですがコロナの影響で日曜祭日以外は余りにぎわっていません。
今度皆さんがここを訪れる頃は以前のように賑やかな星光大道に戻っていると思います。
そこであくまでも私個人の考えですがおすすめの訪問時間帯をご紹介します。
明るい時間帯 昼間は暑いので朝食後の散歩にここに来ることをお勧めします。 香港は朝が遅いので買い物をするにも早くても10時以降にならないと店が開きません。時間つぶしに丁度いいと思います。
夜景の時間帯 夜はやはりレーザーショーが始まる8時までには行きましょう。
6時頃からチムサーチョイで食事して食後の散歩代わりに歩いていくのがベストです。
でも三脚を使って本格的に写真撮影をしたい人は早めに行ってベストポジションを確保してください。 場所は港の近くの文化センターの前にある展望台の2階です。
新しい星光大道(アベニュー・オブ・スターズ)の特徴と魅力
景観設計家のジェームズ・コーナー氏が、大規模な再設計を手掛けました。
新しい星光大道(アベニュー・オブ・スターズ)はハリウッドで活躍し格闘映画を世に送りだした、世界的に有名な武術の達人の李小龍ブルース・リーが主役になっています。
彼の2mの銅像はプロムナードの東側の一番いい場所にあります。俳優で哲学者のブルース・リーの有名な言葉「水になれ」を思い起こさせるように彼の足元には水が流れています。
ブルース・リーの他にも「香港の娘」と言われた歌手で女優の梅艷芳アニタ・ムイの銅像があります。
彼女は世界中で中国人なら誰もが知っているスーパースターでした。
姉ご肌で誰からも頼られる存在と強い自立心、そしてずば抜けた個性で知られた彼女は、香港の音楽と映画界に大きな影響を与えました。
ここに来る人は必ずブルース・リーとアニタ・ムイの銅像と一緒に写真を撮って楽しんでいます。
その次にご紹介したい像は、マンガのキャラクターの麥兜(マクダル)です。
豚のイメージとは程遠いかわいい子豚の麥兜(マクダル)は、明報新聞のマンガ欄から映画作品となりました。
そして唯一、香港のアニメ大使としてアベニュー・オブ・スターズに像を建造されました。
さらにもうひとつ、セルロイドフィルムに包まれた女性が、手に持つ真珠を空にかかげる姿を映した像です。
これは1982年に香港の映画での活躍者を讃えるために始まった香港映画祭の受賞トロフィーを銅像にしたものです。
港に向かって遠く伸びる歩道と海の境には、有名人の手形を残したゆるやかな曲線の木の手すりがずっと続いています。そして手すり越しに海が見える位置に座席があり、設計者コーナー氏が言う「水辺の近くにいる」というドラマ性を高めています。
そして2017年に「シンフォニー・オブ・ライツ(幻彩詠香江)」も新しくなりました。
刀のような中国銀行や国際金融センターをはじめ地上484メートル118階建てICCなど九龍・香港の両岸に並ぶ44のビルの群がイルミネーションを輝かせ、夜空に向かって放つレーザーが香港の夜景をさらに光の絶景へと変貌させています。
このレーザーショーは毎日午後8時から13分間、もちろん無料で誰でも見ることができます。
海外の観光地には必ずと言っていいぐらい「スリ」が出ます。
香港は東南アジアの中でも治安がかなりいい方ですが観光スポットではやはり要注意です。
星光大道も例外ではなく観光客目当ての「スリ」がいるはずです。
うっとり景色を眺めていたり、写真の撮影に夢中になっている時は特に危ないので気を付けましょう。
財布や貴重品が入ったバックは自分の目線が届く位置にキープして下さいね。
まとめ
1980年代になると香港の経済は急成長し、それと同時に観光や娯楽産業も驚くほど繁栄しました。
最初は海岸沿いの散歩道だった星光大道(アベニュー・オブ・スターズ)も時代と伴に大変貌をとげました。
そしてコロナパンダミックが収まって、皆さんがここに訪れる時を首を長くして待っていると思います。
是非この新しく生まれ変わった星光大道を訪れて好きな香港スターの手形を探してみましょう。
夜8時開始のシンフォニー・オブ・ライツもお忘れなく!