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香港のお粥はホントに主食?
私は香港に来るまでお粥は風邪をひいたり体調が悪くて食欲がない時に食べるものだと思ってました。でも香港では立派な主食なんです。
香港の街にはお粥の専門店があちこちにあって、ローカルの麵屋さん、茶餐店のファーストフード、そして酒樓(中華レストラン)の飲茶にもお粥メニューがあります。
そして朝食はもちろん、お昼から夜中までいつもお客さんがいっぱいです。
広東粥はお粥ベースそのものが栄養豊富で、いろんな具をおかずにして食べるので野菜を一皿添えればそれだけで満足できる食事になります。
そしていつでもどこでも手軽に食べれる健康的な主食です。
お粥の種類と特徴
香港のお粥は広東粥で「老火粥」〈ローフォーチョッ)と「生滾粥」(サンガウチョッ)の2種類があります。
広東粥のお粥ベースは日本米と同じ短種米を豚のげんこつ骨と野菜でとる高湯(コートーン)で2時間以上お店によっては5,6時間かけて炊き込みます。
そしてそのお粥ベースはまるで糊を温めたようにとろ~りと米を感じない程なめらかです。
「老火粥」(ローフォーチョッ)
「老火粥」は米と具材を一緒に長時間煮込むコクのあるお粥です。
米を炊いる途中に具材を加えて一緒にグツグツ煮込むのでお粥に具の味が溶け込んで味のあるお粥です。
でも具材の肉や野菜に火が通り過ぎるので具自体は美味しくありません。
ファーストフード店や飲茶の点心車のお粥はほとんどがこの「老火粥」です。
瑤柱冬瓜粥(貝柱とトウガン)、西洋菜排骨粥(クレソンと豚の腹骨)はニキビの予防と夏バテ防止に良いですよ。
「生滾粥」(サンガーウチョッ)
「生滾粥」は香港の主流で、注文ごとに小鍋でお粥ベースを沸かしてそこに下味をつけた豚肉、牛肉、海鮮や豚モツなどを入れて炊きあげます。
短時間で具に火が通ったら出来上がりです。
具材の持ち味と歯ごたえがしっかり残っているのでお粥と具の両方が美味しいお粥です。
そして美味しいだけじゃなく具材の組み合わせで栄養満点の健康食になるんです。
健康お粥の組み合わせ
- 粥+皮蛋、魚片、鹹瘦肉(ピータン、魚、豚肉) 夜遅くまで勉強や仕事をする人の脳の働きを助ける
- 粥+蓮藕片、紅棗、牛肉片(レンコン、干しナツメ、牛肉) 月経が終わったばかりの女性ために
- 粥+杏仁肉、杞子、豬肉丸(杏仁、クコの実、豚肉団子) パソコンを中時間使う人の視力の低下を防ぐ
- 粥+白果、竹笙、鮮腐竹(銀杏、衣笠茸、生湯葉) ヴェジタリアンの人
- 粥+鮮百合、雪耳、嫩雞片(ゆり根、白きくらげ,鶏肉) 寝付けない、肌荒れが気になる人に
お店での注文はメニューは気にせずに自分の好きなものを組合せて頼んだら必ず対応してくれます。 栄養を考えて好きなように注文してみましょう❣❣
この香港で主流の「生滾粥」は肉類や海鮮が加熱不足だった場合に肝炎や寄生虫などの衛生的なリスクがあるのでご注意ください。
お粥の具材を広東語で覚えましょう❕
豬肚 | (チュウトウ) | 豚ガツ |
豬潤 | (チュウヨォン) | 豚レバー |
豬腰 | (チュウイユウ) | 豚マメ(腎臟) |
豬大腸 | (チュウタイチョォン) | 豚シロ(大腸) |
豬心 | (チュウサム) | 豚ハツ(心臓) |
豬紅 | (チュウホン) | 豚の血の凝固物 |
瘦肉 | (サウヨッ) | 豚ロース |
及第 | (ガプタイ) | 豚モツのミックス |
滑牛 | (ワッガウ) | 滑らか牛肉 |
滑雞 | (ワッカイ) | 滑らか鶏 |
魚片 | (ユイピン) | 魚の切り身 |
魚球 | (ユイカウ) | 魚のつみれ |
鯇魚 | (ワンユイ) | 草魚 |
魚腩 | (ユイラム) | 草魚ハラミ |
皮蛋 | (ペイタン) | ピータン |
粥に欠かせない相棒の揚げパン「炸鬼」(ジャークワイ)
香港ではお粥を食べるとき、特に白粥を食べる時は必ずと言っていいほど「炸鬼」という揚げパンを一緒に食べます。
洋食でパンをスープに浸けてから食べるように小さめに切った「炸鬼」をお粥に浸けて少し柔らくなったところを食べるのがベストです。
すると揚げパンの香ばしいさと食感がお粥と一緒に口の中でとろけていきます。とろ~り!
どうして「炸鬼」と呼ぶのか?
「炸鬼」の炸は揚げるという意味なので直訳すると「鬼を揚げる」ですよね? なにそれっ?と思ったので友人に聞いてみました。
「油炸鬼」(ヤウジャークァイ)を省略して「炸鬼」と呼んでいるのですが、これは香港の俗語で正式には「油炸條」(ヤウジャーティユ)と言います。
香港では白人の男性と女性を俗に「鬼老、鬼婆」(クワイロウ、クァイポー)と呼びます。 ひと昔前は香港に来る白人の観光客は高齢夫婦が多くていつも仲良く手をつないで街を歩いてました。 そしてそんな仲の良い白人夫婦と二本くっついている揚げパンがよく似ているので「炸鬼」と呼ぶようになったそうです。
ラーメンライスと一緒じゃない?
いつだったか、香港の友達に「日本人はどうしてラーメンとご飯を一緒にたべるの?」と聞かれました。
その時は気づかなかったのですが、香港のお粥屋さんにもお粥と豉油王炒麵(細麺の醤油焼き)のセットメニューがあります。
これってラーメンライスと同じですよね?
おすすめ店の紹介
何洪記(ホーホンケイ)
まず最初は2009年に香港の雲吞麺店で初めてミシュランひとつ星を獲得してから2020年まで毎年受賞している人気の老舗日本人が安心して「何洪記」を紹介します。
広州でワンタン麺で有名だった何釗洪氏が1946年に香港でワンタン麺の屋台を始めました。 その後ワンチャイに店舗をだして、1972年にコースウェイベイ霎東街に移転しました。
今の希慎廣場のお店は2012年に移転してコロナと闘いながら営業を続けています。
香港空港の到着フロアーにも支店がありますが、残念ながらコロナの影響で今は閉店しています。
「何洪記」のお粥はトロトロで上品な味付けです。
具材も新鮮で私は特に豚腰潤粥(豚の腎臓と肝)が大好きです。 具に臭みがなく歯ごたえがあって最高です。
そしてこの店の良いところは店内が清潔です。そして麺類と点心もとても美味しいので香に来て食べたいものをまとめて一緒に食べることができます。観光客にとってとても便利なお店です。
店の基本情報
住所 | 銅鑼灣軒尼詩道500號希慎廣場12樓1204-1205號舖 |
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Address | 1204-1205, 12/F, Hysan Place, 500 Hennessy Road, Causeway Bay |
電話番号 | 25776060 |
営業時間 | 11:00 – 20:30 |
目安予算 | 700-1500円 支払:現金 Visa Master AE JCB AlipayHK 支付寶 |
「何洪記」は地下鉄で銅鑼灣(トンロウーワン)コースウェイベイ駅のF2出口をでたそごうデパートの向い希慎廣場(ヘイサンプレイス)の12階です。
富記粥品(フーケイチョッパン)
次に紹介する「富記」は創業40年の香港の下町を代表するお粥屋です。お粥メニューのほかにもチャーシュー、麺類、チャーハンにスープまでご当地メニューが大体そろっているので香港庶民の食生活を体験するのにおすすめのお店です。
米から豚骨と一緒にゆっくり煮込んでいるお粥ベースはあっさりでとってもまろやかなスープみたいです。
看板メニューは注文が入ってからお粥と豚モツを小鍋で焚く「生滾及第粥」です。モツ好きの人にはもってこいのお粥です。
店内はお世辞でも清潔と言えませんがお粥を一口食べるとそんなことはスッカリ忘れて口と手が止まらなくなります。
お粥のほかに燒鵝(ガチョウの丸焼き)、叉燒、白切雞(茹で鳥)など 「燒味」シューメイも有名です。特に燒鵝は皮がパリッ、身はやわらくジューシーでお粥と良く合います。
メニューが豊富なのでここでランチを食べてから女人街を探索するのも良いですね。
店の基本情報
住所 | 旺角花園街104-106號 |
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Address | 104-106 Fa Yuen Street, Mong Kok |
電話番号 | 23851230。 |
営業時間 | 07:30 – 23:30 |
目安予算 | 500-1000円 支払:現金のみ |
「富記」は九龍の下町の代表の地下鉄旺角站(モンコック駅)のB2出口から歩いて3・4分、亞皆老街(アーカイロウガイ)の女人街入口から2・3分で花園街(ファーユンガイ)の右側にあります。
生記粥品專家(サンケイチョッパンチュンガ)
今日最後のおすすめ店は上環に店舗を構えて40年以上の「生記」です。お粥専門店で朝は出勤前のOL達のテイクアウトが途切れません。 そして昼食の時間帯は毎日行列ができています。観光客があまり歩かない場所なのでチョットした穴場です。
豚骨と乾燥貝柱で煮込んだお粥ベースはあっさり目でどの具と合わせてもいい引き立て役になってます。 具は粥に付いてくる葱生姜醤油をつけて食べてください。
お店の看板メニューは魚腩粥(ユイラムチョッ)です。でも友達が魚腩牛肉粥が美味しいというので魚と牛肉との組み合わせがチョット想像できなかったけど試してみました。
結果!魚の腹身は新鮮で川魚なのに臭みがなく、牛肉も柔らかくて正に絶品でした。 魚を葱生姜醤油をつけての葱と一緒に食べると最高です。 でも骨にご注意!
その他にさつま揚げに似た煎魚餅も人気があり、姉妹店の看板メニューの清湯牛腩麵も食べれます。
店の基本情報
住所 | 上環畢街7-9號地舖 |
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Address | G/F, 7-9 Burd Street, Sheung Wan |
電話番号 | 25411099 |
営業時間 | 06:30 – 20:30 定休日:日曜日 |
目安予算 | 500-1000円 支払:現金のみ |
「生記」は地下鉄上環站(ションワンジャム)マカオフェリーがある上環駅のA2出口をでて歩いて3分です。 九龍から行くには中環(チョンワン)でKennedy線に乗り換え次の駅で降りてください。尖沙咀からだと乗り換え時間も入れて12分位で上環につきます。
最後に一言!
このブログを読んで香港のお粥に興味を持ってもらえたでしょうか? 私自身もお粥は朝食でオートミールと同じ健康食だと思って週に2・3回は食べてます。
今度香港に行ったら栄養満点の「お粥」を朝食か昼食の候補に入れてみて下さい。